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2023年2月21日火曜日

北米大陸オートバイ旅行-2005年8月7日

2005年8月7日(日)

 9時過ぎに起きる。マコト氏はもう起きていて、ネットで調べ物をしていた。

 10時過ぎにMacombの町を案内してもらう。まずは人工池を見せてもらう。池というよりも湖かな。これが人によって作られたとは思えない程自然に溶け込んでいた。次にMacomb空港を見せてもらう。驚きの空港だと言うので、ちょっと期待。

 「もうすぐ空港に着きますよ」と言われ、四方八方を見渡すが、それらしきものは一切見当たらない。ちょっと先にプレハブの倉庫が2、3棟見えるだけだ。その奥にでもあるのかな、と思っていたら、Macomb空港の看板が見えてきた。
 倉庫だと思っていた所こそ空港であったのだ。管制塔もその倉庫のようなところにあり、本当に小さな小さな空港だ。
 滑走路は一応コンクリートで舗装されていた。倉庫だと思っていた所は、自家用飛行機が保管してあるそうだ。さすがアメリカ、おそらく自家用飛行機所持率は世界トップレベルであろう。
Macomb空港。

 空港の概念を覆されたMacomb空港を後にし、今度はエルクを飼っている牧場へ行く。エルクは鹿より一回り大きく、立派な角を持っている動物だ。カナダでは結構みたがアメリカではなかなかお目にかかれなかった。そんなエルクがいる牧場は、地元の人もあまり知らないような場所で、野崎氏が偶々発見したオススメの場所だ。
 牧場に着くとエルクの群れが牧場の真ん中にいた。エルクを飼ってどうするのかと野崎氏に尋ねると、食用との事。あんな可愛いらしい動物を食べてしまうなんて、残酷。。。。。。とは思わない。機会があれば是非食べてみたいものである。動物(犬や兎など)が可哀想だから、その肉は食べないと言いながら、鳥肉、牛肉を食べる人を見ると、突っ込みたくなる。牛だって結構可愛いぞ。

 Bushnellという所で昼食。地元の人しか来ないというファミリーレストラン。こういう所に来てこそ、アメリカの文化が感じられるのだと思う。観光地で食事も良いが、ここでの食事も
 注文したのはジャンボバーガーとポテト。注文してかなり時間が経ってからやっと料理が来る。パンにハンバーグが挟んであるだけのものだ。その横にレタスや玉ネギ、そしてポテトが添えてあった。随分シンプルなバーガーかと思ったら、自分で添えてあったレタスや玉ネギ、ピクルスをトッピングするとの事。なるほど、通りでシンプルすぎたわけだ。
 嫌いな食べ物は無い僕は、ケチャップ、マスタードをかけて全部挟んで、大口でバクリとかぶりつく。おお、マクドナルドやバーガーキングなどでは食べられないパティの味。アメリカのお袋の味と言っても言いのであろうか。いつもいつもハンバーガーを食べているが、今日のハンバーガーは非常に特別なハンバーガーであった。とても新鮮だ。

 昼食が済み、今度はウォールマートへ行く。昨日、ウォールマートの話が出て、世界のウォールマートというものを是非見てみたいと思ったからだ。実は一昨日も行ったのだが、ちらっと見ただけだ。今回はSuper Centerというスーパーマーケットも併設しているウォールマートだ。
 中に入ると、安い安い。こりゃ、地元産業が潰れてしまうなぁ、と思った。

 今、ウォールマートは日本へも進出しているそうだ。名前はウォールマートと出さずに西友の株保有率をどんどん上げているそうだ。Always Low Pricesが日本でも見られるようになるのかな。
 ウォールマートでエンジンオイルを購入。今回はSynthetic Oil(化学合成オイル)なので、若干高め。でもいいオイルを使うに越したことはない。

 マコト氏の寮に戻る前に、モバイル・コミュニティ(移動住宅)なるものを見せてもらう。トレーラーの部分が住宅スペースになっていて、それを牽引しながら移動できるという便利なものである。だが、このモバイル・コミュニティというのはそのトレーラーを定住用にしたものだ。きちんとした住所がないので、家賃が安いらしく、底辺階層の人が住んでいるそうだ。それにあまり喜ばれる存在ではないようで、場所によっては治安が悪いそうだ。

 14時半過ぎに出発。136号線を西へ向かって進む。トウモロコシ・大豆畑の中をひたすら進む。ずっとこのような風景が続くのだが、僕は暇だとは感じない。バイクに乗れている今がとても幸せだからだ。

 Quincyを過ぎてから急に睡魔に襲われる。時間にして約1、2秒、寝てしまうことさえあった。こんな状態ではいつ死んでもおかしくないと思い、どこかで仮眠を取る事にした。幸い8マイル先に一般道のRest Areaのような所(Wayside Stop)があり、そこのベンチで横になり、45分ほど仮眠。この仮眠のおかげで、それ以降眠くなることはなかった。

 仮眠を取ったあと、出発しようとしたが、エンジンが暑くなくなったので、オイル交換をすることにした。今回はオイルを漏らすことなく交換に成功。交換したオイルもSynthetic(化学合成)オイルで、若干高性能である。次の交換はロサンゼルスくらいかな。

 オイル交換が終わり、しばらく走ってオイルドレインのボルトが緩まっていないか確認するために、マクドナルドの駐車場に停車。そして手袋もせずに、ボルトに触ろうとしたら、マフラーに親指の付け根が接触。熱い!と思ったときには、もう火傷をしていた。近くに水道がなくて、仕方なく空気で火傷した部分を冷やす。エンジンも、親指の付け根も空冷だ。

 Lake St Louisを過ぎるといよいよセントルイスが近くなる。車線も片側4~5車線になり、大都市に近づいたんだと感じるようになる。大都市を走る高速の出口も1マイル内に数箇所あり、出入りする車に注意しながら走行する。

 宿に20時過ぎに到着。高速を降りてから、結構迷った。いや、大体の場所は見当がついていたが、高速の入口、出口が近くにある場所で、思うように目的の場所に行けなかったからだ。

 宿に着き、チェックイン。受付のお姉さんは綺麗だった。しかもすごい親切。
 クレジットでの支払ができなくて、しかも現金の手持ちが1泊分しかなかったので、とりあえず一泊分払い、残りは明日払うことにした。20ドルに鍵のデポジット5ドル。

 給油しに近くのGSへ行く。バイクを停め、先に支払おうと店の中に入ろうとすると背の高い黒人が「Hey Man!75セントくれよ」と話しかけてくる。「No、No」と断り店の中に入る。ところがその男もついてきて、レジ待ちしている時に、ずっと「くれ、くれ」と言ってくる。で、レジの方はというと、ガラス張りの カウンターで、こちらが被害に遭ったとしても、レジ側は被害無しといった感じで見て見ぬ振り。怖くなったが、無視し続けたら、あっさり去っていった。

 今日の移動距離、350km。日本であれば、かなりの長距離かもしれないが、最近は300kmくらいは短距離に思えるようになってきた。

本日の走行距離: 219マイル(350km)
総走行距離:9,275マイル(14,840km)
(ルートは暫定的なもの。後ほど修正すると思います)

北米大陸オートバイ旅行-2005年8月6日

2005年8月6日(土)

  8時半に起き、9時前に出発。ダニによる痒さも昨日よりひどくなっており、全身ボコボコになっていた。こりゃヒドイ。こんな所二度と御免だ。

 出発して10マイルほど走ったときに、カメラの三脚を忘れたことに気がつく。10マイル(16km)なら戻っても良いのだが、もう使わないであろう。1ヶ月間で使ったのはほんの数回。安かった三脚なので、別に悔いはない。

 今日はなるべく高速に乗らないようにした。国道43号線を南下して、イリノイ州の境の観光案内所に到着。イリノイ州の地図をもらってルートを考える。セントルイスに直行するか、ワシントンDCの宿で会ったマコト氏が住んでいるマコム(Macomb)に行くか。
 とりあえず、州境で悩んでいても進まないので、Bloomingtonという所の近くにあるRest Areaまで行くことにした。このBloomingtonはセントルイスに行くか、マコムに行くかの分岐点である。ただ、今日は比較的時間があるので、なるべく高速を使わず、一般道(とは言っても名前はHighwayという場合が多い)を使う。今日使った一般道は高速のすぐ脇にある道で、僕のバイクにとって丁度良いスピードが出せる道だ。

 田舎道で信号も殆ど無く、交通量も高速に比べて格段に少ないので、変なプレッシャーを感じず、自由気ままに走れて、気分がよかった。気温もそんなに暑くも無く、ジャケットを着て丁度良い位だった。

 Bloomingtonの近くになったら高速に入る。Rest Areaは高速の中にあるからだ。今までのペースより若干スピードを上げて、高速道路を走る。Rest Areaまでは10マイルなくて、すぐに到着。

 休憩も兼ねながら、ベンチで横になり、ルートを決めようとするが、なかなか決まらない。とりあえずマコト氏に電話をかけて、彼の対応を見て決めようと思い、電話をかけるも出ず。繋がらないのであれば、このままセントルイスに行くのかと、諦めかけてセントルイスまでの道のりをまたベンチで考える。で、ようやくルートが決まり出発しようとしたが、もう一度念のためにマコト氏に電話をかけたら、今度はちゃんと出る。しかもMacombに来てほしいとの事。そこまで言われたら行くしかないでしょう。僕が未熟なため、年下のマコト氏から得るものもあるし。

 さっき考えたルートは廃案。高速を降りて国道136号線を西へ向かう。今日の宿の心配がなくなったので、気持ちが軽くなり、スロットルを開き気味にしていた。
国道136号線は典型的な米国の田舎道

 Macombまでの道のりはあっという間に過ぎ、電話から2時間弱後に到着。GSの公衆電話からまたマコト氏に電話し、Macomb市の裁判所の前で待ち合わせることに。僕は今来た道をまたまっすぐに行くだけなので楽だ。
 電話を切って、すぐに裁判所前へと向かう。だが、裁判所前はどうやらフェスティバルがあるらしく、交通規制があった。なので、裁判所の真ん前で待つことが出来ず、大学寄りの交差点で待っていた。5分後くらいに水色の三菱車がやってきた。中には久しぶりであるマコト氏がいた。

元々の待ち合わせだったMacombの裁判所の風景

 ワシントンDCで会い、またここイリノイ州マコムで再会。なんとも不思議な気分である。人との出会いは本当に不思議である。一期一会、この言葉を思いながら人と接していきたい。一人で生きてゆける人間なんていないのであるから、人との関わりをどう楽しむかが人生においても大切な部分だと思う。

 マコト氏が運転する車の後をついて行き、ウェスタン・イリノイ大学に到着。まずはスケールの大きさに驚き、施設の充実ぶり、学期中は歩道が溢れるくらい学生がいる、などと聞き、さらに驚く。僕が行ってた某S大学は、普段はガランとしたキャンパスで、テスト前とテストの時だけキャンパスが人で溢れるという不真面目な大学であった。歩道が溢れるほど学生がいるなんて、なんて真面目な大学だ。いや、この学校が真面目なんじゃなくて、僕が行っていた学校が不真面目なだけなのであろう。
 校舎の中とかも見せてもらい、数年ぶりに大学生になったような気分になった。悪くないね、こういう学校とかを訪れるってのは。
 本当にすごい、学校内にゴミの焼却場があったり、ゴルフ場だってあるそうだ。しかもマコト氏曰く、この学校はまだ大きいとは言えない。との事。おいおい、これ以上大きい学校ってあるのかい?アメリカはやっぱスゲーなぁ。何事もビッグだ。

 学校案内が一通り終わり、今度はマコト氏の寮へ向かう。僕のバイクは訪問者用の駐車場に置き、いよいよ寮へ。基本一人部屋という1LKの部屋は、一人で住むには広すぎるくらいで、シェアして使っているそうだ。夏の間だけのルームメイト「野崎氏」にも会い、ちょっと会話する。野崎氏は地図のエキスパートで、仕事も地図関係、専攻も地理関係とすごい人なのだ。
 そんなすごい人なのに、人柄も良く、非常に話し易い人だ。

 何ヶ月ぶりであろう、韓国料理を食べた。トゥブチゲ(豆腐チゲ)を注文し、マコト氏はチャプチェご飯を頼んでいた。さすが料理する人が韓国人なだけあって、味もしっかりしており、美味であった。ハンバーガー等もおいしいが、やっぱり僕はアジア人。こういう米料理を食べると落ち着く。しかもご馳走にまでなった。

 夕食後、軽くMacombの町をドライブ。薄暗い空を見ると星がはっきりと見える。完全に日が落ちたらもっと綺麗なんだろうなぁ。光害とか無さそうだ。

 寮に戻り、野崎氏を含めて会話を楽しむ。そのうえビールまでご馳走になった。野崎氏の専門の地図の話やアメリカ人の体臭の話、はたまたトイレの話など、非常に楽しく時間が過ごせた。
 「結論」、肉を食うとどうしても体臭がきつくなるということ。

 マコト氏、野崎氏、本当に感謝しております。3時就寝。非常に充実した一日であった。

本日の走行距離: 341マイル(545km)
総走行距離:9,056マイル(14,489km)