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2018年3月5日月曜日

北米大陸オートバイ旅行-2005年7月26日

2005年7月26日(火)

この旅、一番の感動かもしれない。

 





スペースシャトル発射!!
遠かったが、貴重な体験だ。

 5時45分起床。なぜこんなに早いかというと、前々から日記にも書いてあった通り、スペースシャトルの打ち上げを見るためである。6時にはもう準備が出来、出発。前回ケネディー宇宙センターへ行ったときと同じく192号線を西へ向かい、4号線に乗り、オーランド市内から50号線に降りて、そのまままっすぐというルートだ。

 出発時の空は真っ暗で、ヘルメットのシールドを上げて、走行。ガソリンがないので、入れようと思ったのだが、入れようと思ったGSが閉まっていた。頭の中に「ガス欠」という単語が浮かんできて、どきどきしながら走り、やっと見つけた。今回は3ドル分とサンドイッチ、ゲーターレードを購入。全部で5.44ドル。

 日の出前ということで、かなり寒かった。シアトルで買ったマリナーズトレーナーが久しぶりに役に立った。

 高速4号線はそんなに込んでいなかったが、50号線は込んではいないものの、前回とは違い交通量が多かった。ところが、ケネディー宇宙センターに到着するくらいには、かなりの渋滞。こりゃ、抜けるのにだいぶかかるなと覚悟を決めて、渋滞の中に突入。誰もすり抜けをやっていないし、警察も結構多かったので、すり抜けはやらなかった。

 渋滞の中を1時間くらい待ったであろうか。あることに気がついた。この渋滞は宇宙センター内へ行くためで、僕は関係ないと。今日は打ち上げのため、許可書の持っている人のみ宇宙センターに入れるのだ。許可書の無い僕が並んでも仕方ない。路肩を走り、目的の国道1号線に入る。国道1号線は思ったより込んでなく、すぐに発射台が見られる海岸線にバイクを停め、場所探し。ちゃんと舗装されている場所はもう既に場所を取られていて、入り込む余地無し。

 幸い、岩場で普通に座れそうな所が空いていたので、岩場に席を取る。打ち上げは10時39分との事なので、それまで2時間半もある。朝買ったサンドイッチを食べながら、ボーっと過ごす。日差しが強くなり、汗もかき始めて、時計を見たらあと1時間。携帯電話の中のゲームをして、時間を潰す。10時20分くらいから、ビデオカメラの位置を再確認して、10時25分、撮影開始。

 発射台からかなり離れているものの、肉眼で発射台が見える距離だ。ただ雲が多く、若干かすんでいた。ビデオをズームにすると、かろうじて発射台にシャトルらしいものが見えるくらいだ。

 10時39分。いよいよ発射の時間。発射台がパァーっと明るくなり、煙が左右に広がる。後ろの観客が歓声を上げ、シャトルは無事に浮上。それからシャトルは雲の中に入り、しばらく見えなくなる。だが、雲の上から再びシャトルと炎が姿を現す。その頃に、発射の時の音が「ゴゴゴーー」っと聞こえ始める。その間もシャトルはグングンと空高く進み、あっという間に見えなくなる。

 賞味5分。Kissimmeeでの滞在を2泊延長し、今朝6時前に起きた甲斐があった。もしこれでまた打ち上げ延期にでもなっていたら、日ごろの行いが悪いと思うしかない。ああ、こんな貴重な体験が出来るのは、本当にラッキーだと思う。
  しかも今回の打ち上げはコロンビア号事故以来の打ち上げで、且つ日本人宇宙飛行士の野口聡一さんが乗っている打ち上げである。同じ日本人として非常にうれしいことである。

 打ち上げを見終えたら、バイクにまたがったササッと宿へ帰る。
 宿に着き、部屋に戻るとMassimoとCarloが寝ていた。あれ?ディズニーへ行くんじゃなかったのかな?起こすのはマズイなあと思い、静かに荷物を置いて、スーパーへ向かう。スーパーでミラービール6本と明日の水を買う。500ccのビール6本で3ドル。安い!

 それから自分自身も昼寝。日が昇る6時前に起きたのだから眠いのは当然だ。

 夜はまたMassimoがパスタを作る。今日はサルサソースを使ったパスタ。パスタのゆで方がちょっと変わっていた。僕の場合、茹で上がるまで強火でガンガン茹でるのだが、彼の場合、ある程度まで強火で茹で、後は弱火で茹でるという方法だった。これは彼流なのか?それともシシリー流なのか?

  いずれにしても午前中に見たスペースシャトルの打ち上げの興奮が一生忘れられないものとなった1日であった。

本日の走行距離: 182マイル(291km)
総走行距離:6347マイル(10155km)

2018年2月22日木曜日

北米大陸オートバイ旅行-2005年7月25日

2005年7月25日(月)

 こんなに長く、ここKissimmeeにいるとは思わなかった。8時半起床。バナナを食べ、牛乳を飲む。胃の中ではバナナセーキになっているであろう。非常に健康的な朝食だ。だが、今日の昼はステーキ。あごが疲れるほど食べようと思っている。

 台湾人の家族が朝食にやってきて、明日のスペースシャトル打ち上げについて色々と情報交換。その家族は朝6時にケネディー宇宙センターへ行き、チケットを買うそうだ。どうやら、朝6時半から販売されるチケットを購入すれば間近で発射が見られるそうだが、僕にチケットを買う購買力はなく、おそらく国道1号線から無料で見ると思う。

 明日はいよいよ発射。このためだけにここKissimmeeにいる様なもんだ。

 10時に受付に郵便局の場所を聞く。歩いては行けない距離だが、僕にはバイクがある。バイクにまたがってエンジン始動。郵便局まで192号線をずっと東へ進む。郵便局は192号線からちょっと南に入ったOak Streetという所にある。アメリカで初めて入る郵便局。中に入ると色々と封筒が置いてあったが、どれを選んで良いかわからず、白地に青が入っている封筒を選び、ステッカーに差出人、宛先を書き、並ぶ。15分くらい待ってやっとカウンターに行くと、「これじゃ、日本へは送れませんよ」と言われる。まさか先日のロンドンでのテロの影響で郵便物まで規制がかかっているのか!!
  と思ったが、なんて事はない。白地に青が入っている封筒は国内用ので、海外用のは白地に灰色(薄い黒?)が入っている封筒を使わなければならないそうだ。

大きな郵便局だった

 で、その国際用の封筒にまた差出人と宛先を書き、中身を移す。お値段、なんと19ドル。高いなぁ。「地球の歩き方アメリカ版」は帰国前に捨ててしまおうと思う。お金がないので日本の古本屋で100円で買ったものなんだから。

 12時に肉を焼き始める。そんなに厚い肉ではないので、すぐに火が通り、完成。1パウンド(452g)も食べるとやっぱりアゴが疲れる。もし、これが神戸牛や松坂牛であればペロリと平らげるのであろうが、僕が買ったのは安い肉。でも昼間っからビール片手に食べるステーキは美味。こんな贅沢、仕事をしていたら出来ない。

 昼飯を食べ終わり、ワシントンにあるユースホステルに電話をかける。28日から3泊の予約である。本当は4、5泊したかったのであるが、スペースシャトルを優先したため、スケジュール変更。スミソニアン博物館やFBIの見学はいつでもお金を出せば見られるが、スペースシャトルはお金を出せば見れるというものではない。そう考えると今回の決断は正しかったのかと思う。まぁ、何億円というお金をNASAとかに寄付すれば、間近で発射が見られるのかもしれないが、そんなお金僕が稼げるわけもない。

 ワシントンDCの宿は確保できた。このワシントンDCのユースホステルは予約時に必ずクレジットカード番号が必要である。クレジットがない場合は数週間前に予約金を郵送しなければならないらしい。クレジットカード社会を象徴していると思った。

 ちなみにワシントンDCのユースホステル、全米の中でもトップを争うくらいの人気ホステルらしい。まぁ、日本人の感覚とアメリカ人の感覚が違うところがあるし、どこの国の人であれ、個人個人の価値観によっても評価方法が違うから、一概に今回予約を取ったワシントンDCのユースホステルが良いとは言えないのかもしれない。過度な期待をしないようにしよう。

 オーランドからワシントンDCまでの距離約890マイル(約1424km)を27日チェックアウトから28日の夕方くらいまでに走らなければならない。1日700km以上の長旅だ。ここKissimmeeで十分体を休めて、万全の体調で望もうと思う。

 昼食を食べ、ベッドでワシントンDCでの予定を立てていたら、いつのまにか寝ていた。目を覚ますと西欧人2人組みがちょうどチェックインが終わって、僕の部屋に来た。イタリア人学生で、MassimoとCarloだ。非常にフレンドリーで、僕のバイクの話を聞いて、驚いていた。あまり英語が上手とは言えないが、物怖じせずに話す姿勢はすごいと思う。僕なんかは英語ダメだから、単語だけで答えてしまうのに・・・・・。

 で、このイタリア人2人組みと一緒に宿の中にあるプールで泳ぐ。3時間くらいは泳いだであろうか。そろそろお腹がすいてきたので、ご飯を食べようとの事。Massimoが「パスタ」を作るというので、僕もいただくことになった。さっそく食材を買いにスーパーへ行く。買ったのはパスタとツナ缶だけ。これだけで作れるパスタって。。。。

 でも完成したものを食べると、結構いける。へ~、僕の貧乏料理レシピに追加だな。

 その後もこのイタリア人2人組みと話し、楽しい夜を過ごす。ホステルのいい所は、安い上に、こういう交流の場があるということだ。

 寝る前に、Massimoが別の西欧人(アイルランド人とイスラエル人)に「この日本人はクレイジーなんだぜ」と紹介していた。そしたら、そこにいた西欧人、みんな驚いていた。そんな驚くほどのものではないと思うけどなぁ・・・・。ただ好きでやっているだけだから。

本日の走行距離: 12マイル(19km)
総走行距離:6165マイル(9864km)

2018年2月9日金曜日

北米大陸オートバイ旅行-2005年7月24日

2005年7月24日(日)

 今日は特に何をするでもなくずっと宿にいた。7時40分に起きて、ルームメイトの日本人Ohyama氏にバイクを貸す。このまま持ち逃げされると困るので、一応航空券を預かり、キーを渡す。今日はこのことだけが非常に頭にあり、なかなかリラックスできなかった。信用しても良いのであろうが結局は他人。利益20ドルが出たが、心配な気持ちにもなるのであるから、結局マイナスと考えても良いのであろう。もう他人にバイクを貸すのは一切止めようと思う。昨日はビールを飲みすぎで、思考能力が落ちていて、「貸す」などと言ってしまったのであろう。

 オオヤマ氏が出発した後、ダイニングルームで牛乳を飲む。飲んでいると台湾人の家族がやってきた。恐る恐る「台湾人ですか?」と中国語で話しかけると、「ええ?あなたも台湾人?」と嬉しそうな顔をしながら返事が返ってきた。やはり異国の地での同胞、嬉しいものなのであろうか。でも残念。私は台湾人でない旨を伝えると若干驚いていた。だが、その後は普通に会話。どうやらこの家族は今日はディズニーへ行き、火曜日にスペースシャトルの打ち上げを見たいと言っていた。だが、どこで見られるのかとか、許可がなくても見られるのか、とかいった情報がないらしく、困っている様子だった。だが、僕もあまり情報を知らないので、教えてあげられるのは「予約しなくても見られる場所がある」ということだけだった。

 まぁ、僕が明日出発の予定を27日出発に変えた理由もスペースシャトルであるから、家族の気持ちがわかる。スペースシャトルもあと数年?十数年で役目を終えて引退するそうなので、こんなチャンス滅多にないと思う。なぜならスペースシャトルは打ち上げが大体1年に1回くらいで、あと残っているチャンスは多くて20回であろう。その中の1回が数日滞在を延長しただけで見られるかもしれないというのは、運命なのであろうか。キーウェストのユースのデポジットが郵送される宛先もここKissimmeeのユースだ。これは打ち上げを見ろという暗示なのだと自分にかけている。

 10時くらいに何もすることがないので、ベッドで地球の歩き方を見ていたらいつの間にか寝ていた。起きたら13時過ぎ。今晩は寝られないぞ。

 昼は冷凍食品の「Hungry Man」というフライドチキンとマッシュポテトが入った600g以上あるボリュームのあるのを食べる。さすがにXLサイズだったので、後半お腹が張ってきたが、何とか完食。これで5ドル弱なのだから、非常にお得だと思う。電子レンジがあれば、アメリカでの食事は本当に便利だと思う。最近は日本でも冷凍食品はすごいが、安いのは少ないと思う。いや、僕がただ安いのを知らないだけなのかもしれない。

 昼食後、ダイニングルームでボーっとしているとDavidというシアトルから来たアメリカ人が話しかけてきた。彼もまた27日に行われる発射を見るために、Kissimmeeの宿に泊まっていて、今日何もすることがないそうだ。彼に見えるポイントを教えてもらった。国道1号線なら大体どこでも見えるそうだ。彼の場合、車での移動らしい。僕のバイクの旅に関して、非常に驚きつつも、興味を持ってくれた。
 ちなみに発射時間は26日10時37分だそうだ。ここを7時か8時に出れば見られると思う。本当にこんなチャンス滅多にない。感動すること間違いなしだが、打ち上げがキャンセルになる場合もあるから、あまり期待しないように自分に言い聞かせている。

 20時くらいにオオヤマ氏が帰ってきた。バイクも無事で何より。彼もケネディー宇宙センターが見られて満足そうな顔をしていた。オオヤマ氏も車好きで、一緒にバーガーキングに行き、色々と車や旅行の話をしながらバーガーを頬張った。

 ここの宿は20時から23時までの3時間、無線インターネットが無料で利用できる。いつもは2、3人しか利用しないのだが、今日は5、6人の利用。これだけ大人数がネットをすると回線速度がダイアルアップ以下になってしまう。どんなシステムで運用しているかわからない。非常に不便だが、使えないよりはマシだ。

 晩御飯用に買ってきたステーキ肉は明日の昼に食べようと思う。まぁ、ここの宿にはあと3泊予定なのだから。

本日の走行距離: 151マイル(241km)
総走行距離:6153マイル(9844km)

北米大陸オートバイ旅行-2005年7月23日

2005年7月23日(土)

  7時20分起床。8時前にチェックアウトしようとしたら、オフィスが開くのがなんと9時から。このままではデポジットで払った5ドルが返ってこない。中庭に座っている西洋人のルームメイトにどうしたらいいかを聞いたら、「Early Check Out」のシステムを教えてくれた。紙に住所を書けば、5ドルを郵送してくれるそうだ。まぁ、あまり期待していないが、5ドル返ってきたらちょっとしたご馳走でも食べようと思う。

 8時過ぎに走る車はそんなには多くなく、非常に快適に走れた。昨日チェーンに油を差したからか、走り出しも順調だ。

 周りを海に囲まれたFlorida Keysをいよいよ離れていく。だが、ガソリンがなくなり、給油。しかしKey Westでは今まで走ったところで最高値のガソリンであった。普通は1ガロン、2.2~2.3ドルくらいなのだが、Key Westは2.49ドルが平均だ。まぁ、日本でも観光地のガソリンは結構高いので、それはアメリカでも同じという事かな。

 フロリダ市に差し掛かったときにマイアミ方面の95号線で行くか、はたまたEverglades方面から行くかの分かれ道で、同じ道を通るのはつまらないので、Everglades方面に進路を変える。

 片道1車線ずつの狭い道だが、かなりの田舎道で、交通量が少ないので、スイスイと進める。しかも信号も少ないので、込んでる高速道路より速いかもしれない。

 Belle Gladeという町で、昼食。マクドナルドだ。いつものようにビッグマックを頼み、席に着く。隣に白髪のおばあさんとおじさんがいた。ギルバートさんとチェリーさん?で、色々と話しかけてきた。オハイオ州に住んでいるらしく、僕のライダースーツに興味津々。色々話し、「17、8歳に見えるけど、何歳?」なんて言われた。25、6歳と言われた事はあるが、10代に見られたのはこれが初めてだ。アメリカではこういう何気ない所での会話が楽しい。英語が出来ればもっと楽しいのであろう。

 ギルバートさんたちに挨拶をし、マクドナルドを出て、また国道を走る。この国道が途中で閉鎖されており、回り道をしなければならない事態になってしまった。右か左か選択する時に、なぜか右を選んでしまった。結局選択してから地図を見るとどちらでも行けることがわかった。だが左を選んでいれば距離が若干短くなっていたはず。でも右を選んだおかげで、360度見渡す限りトウモロコシ畑の中を走れてよかった。しかも地図には載っていないような道だ。そんな道でもちゃんと舗装されているアメリカの道路ってすごいなぁと思う。

 宿の近くに差し掛かった所で、軽い渋滞。工事をしているためである。結局夕方16時半に到着。宿に着くと、マネージャーらしき韓国系の人が「バイクが停めてあったから、また来たんだとわかったよ」と僕の事を覚えていてくれた。割り当てられた部屋は前回と同じ部屋。だが、若干メンバーは変わっていた。

 元々は2泊しかしない予定ではあったが、結局4泊することにした。なぜならスペースシャトルの打ち上げが27日火曜日にあるからだ。それまで何もすることがないが、今までずっと走ってきて、疲れている体を休めるチャンスだと思って、お金を払った。幸いここの宿は一泊18ドル08セント(税込み)なので、経済的負担をあまり大きくない。

 夕食は久しぶりに野菜を食べた。スーパーでサラダを売っていたからだ。結構な量があって2ドルちょっと。それプラスご飯が食べたかったので冷凍食品のリゾットを食べるが、これはただ腹を満たすものだけでしかなかった。

 喉がかなり渇いていたので、Milwaukee's Best ICEがかなりおいしく感じた。Key Westでは一滴もアルコールを飲んでいなかったからという理由もあるであろう。

 買い物の内訳 ビール16oz×6=2.99ドル、サラダ 2.54ドル、ドレッシング 0.29ドル、バナナ6本 0.74ドル、冷凍食品 1.67ドル プラス税金0.21ドル 計8.44ドル

 バイクに乗っていて時々グローブを外して運転するのだが、そのせいで手が日本人離れしたくらい黒くなってしまった。


本日の走行距離: 386マイル(617km)
総走行距離:6002マイル(9603km)

2018年2月7日水曜日

北米大陸オートバイ旅行-2005年7月22日

2005年7月22日(金)

 8時過ぎに起床。9時にはもう出発。目指すはセブンマイル橋近くの海岸。今日はノーヘル、ランニング、海水パンツの格好で走る。(あとで聞いたのだが、保険がない人はヘルメット着用が義務づけられている。僕は海外旅行保険があるので、ノーヘルでも大丈夫だと思ったのだが、どうやら海外旅行保険ではあまり良くないらしい)

 来る時に結構いいビーチを見たので、そこに行こうとおもったが、なかなかたどり着けない。結局30マイルくらいKey Westから離れた所のセブンマイル橋のすぐ横のビーチで日焼けを楽しむことにした。人気(ひとけ)が少なく、海水も非常に澄んでいる美しいビーチで、3時間くらい過ごす。

  お腹が減ってきたので、またKey Westに戻る。今日は何を食べようか考え、地球の歩き方オススメのPepe's Cafeに行って、店に入るも、一人じゃ入れない雰囲気だったので、すぐにドアを開け出る。
 お腹がだいぶ空いていたのだが、迷いに迷い、今まで食べてこなかったファーストフードのWendy’sで食べることにした。非常に空腹だったので、ビッグサイズを注文。たらふくフライドポテトを食べ、いい感じにお腹がいっぱいになった。

 お腹がいっぱいになったら、今度は近くにあるスーパーへ行き、チェーンオイルを購入。ジョージア州辺りからチェーンの音がシャラシャラするので、気になっていた。5000マイルも走っているからチェーンが伸び始めてきたのかな?と思ってチェックしても、あまり伸びていない。たぶんインディアナ州にいる時の豪雨で、チェーンオイルが流れてしまったのであろう。
  そうそう使うものではないので、一番小さいサイズのチェーンオイルを購入。税金込みで3ドルだ。まぁ、次また使う機会があるであろうから、高くはないと思う。

 宿近くの浜辺へまた行く。ここのビーチに人は思ったほどおらず、木の下で2時間ほど睡眠を取る。波があまりないので、「ザブーン」という波の音は聞こえないが、ジェットスキーのエンジン音はどこからとなく聞こえてきていた。ここでの睡眠、非常によかった。今度は、本でも読みながら過ごしたいものだ。

 宿に戻り、バイクをちょっとだけ洗車。久しぶりの洗車にRebelもうれしそうだ。だが、汚れが意外にも頑固で、そんなにきれいにならなかった。やっぱりタオルがあったほうが洗車しやすい。洗車のついでにチェーンに油も注す。やっぱりチェーンのオイル切れの音だった。油を注したら全然音がしなくなった。ああ、もう少し早い段階で注すべきだったのであろう。

 オイルを注した後、アメリカ本土の最南端Southernmost Pointへバイクで行く。ここで写真を数枚撮るが、バイクが入った写真を撮りたくて、バイクを停めて、パシャリ、パシャリと撮り、足早にその場を離れ、カメラをケースに収納。

  と、ここで後ろを振り向くと、白地の車が僕のバイクにぴったりとくっついているではないか。パトカーだ。中にいる警官はただ車内の機械をいじっているだけで、僕に停まれだの、バイクを降りろだの言ってこない。確かに、僕が写真を撮った場所は駐車禁止ではあるものの、停車に関してはOKの場所だ。(縁石の黄色い線は駐車禁止の意味。)だから、切符は切られないはず。だとしたら、もしかしてノーヘルに関してか?いよいよ心配になってくる。

 恐る恐るバイクを発進させるも、パトカーは動かない。このまま進んで距離がだいぶ離れた所になってもパトカーは動いた気配はない。さて、どうなることやら。もしかしたら最南端で撮った写真が1枚数百ドルの写真になってしまうかもしれない。

後ろに見えるのが最南端の目印

 最南端の場所から一旦バイクを置き、今度は国道1号線最南端へ行く。ここが1号線の終着点である。

標識が0マイル
一番上に「END」と書いてある。
 起点でもあり終着点でもある。

 昨日からここKey Westに訪れて気がついたのだが、僕が日本で使っているスクーターの「Scoopy」。なんとここでも見ることができる。レンタル用に貸し出されているものが殆どであるが、なんだか親しみのあるスクーターである。アメリカでは「Metropolitan」という名前で発売されており、若干デザインが違う。
Metropoitan という名前らしい。

 
過去に私自身が乗っていた赤のスクーピーを発見

市街地はこんな感じ。

郵便ポストが可愛かった。

 宿に戻り、バックパックの中に3週間も入りっぱなしのインスタントラーメンを宿の台所で作る。作っている間、ずっとアメリカ人のおじさんが日本を訪れたことについて、話しかけてきた。日本はいいところだを連呼していた。よっぽど気に入ったのであろう。まぁ、僕も日本や台湾でアメリカ人にあったらアメリカはいい所だと言うであろう。

 また別のアメリカ人は「神戸牛は最高だ。アメリカでは味わえない味だ」とえらく感動していた様子。しかも食べたのが20年くらい前の話だが、今でも食べたがっている。よっぽど気に入ったのであろう。

 宿の中庭で飯を食っていると日本人らしき人がカップラーメンを作って別のベンチで食べ始めた。勇気を持って「日本の方ですか?」と話しかけるとやっぱりそうだ。イトウさんという小さな新聞社で働いている人だった。6週間の長期休暇をとってバス旅行をしているそうだ。僕と反対のルートで、シアトルから入り、サンフランシスコ、LAなどへ行き、今中間点のKey Westにいるそうだ。これからはワシントンDCに行って、NY、ナイアガラ、シカゴ、そしてシアトルへ戻るそうだ。若干僕のスケジュールと重なる。もしかしたら、ワシントンDCのユースホステルでまた会うかもしれない。

 23時くらいに別の日本人女性が話しかけてきて、スペースシャトルの発射が今度の火曜日26日に行われるそうだ。スペースシャトルの打ち上げなんて、なかなか見られないので、Kissimmeeに火曜まで滞在しようか今非常に迷っている。

 結局24時前に明日二人とも早いということで、話をお開き。さっきの日本人女性はどこかへ出かけたようだ。

本日の走行距離: 96マイル(153km)
総走行距離:5616マイル(8985km)

2018年1月21日日曜日

北米大陸オートバイ旅行-2005年7月21日

2005年7月21日(木)

 なんと昨日、宿の中庭で西洋人たちとビールを飲みながら話していたのだが、24時半くらいにどこの誰だか知らないが、「もう遅いから終わりにしてくれ」と言われ解散。ある者は部屋に戻り、ある者はビーチへ行った。僕は前者で部屋に戻ったのだが、ビーチに行ったルームメイトのアルバートは今朝

「昨日ビーチに行ったら、あのイギリス人女性、服を脱いだんだよね」

 と言うではないか。あのイギリス人女性って、結構グラマーだったからなぁ。。。。アルバートの喜び様を見れば、おいしい思いをしたことが、すぐに伝わる。ああ、本当に残念!行ってれば、見られたっていうことでしょ。。。ああ、本当に悔しい。やっぱり見たくなるさ、僕だって。

 アルバートとマットが出発してからすぐに僕も部屋を出る。シーツ等をフロントに返し、デポジットを返してもらいチェックアウト終了。それからバイク置き場に行き、エンジン始動。

 9時10分に出発。治安が悪いと言われているマイアミ市を通らなければならなかったが、通ったところが治安が最も悪いダウンタウンではなかったので、何事もなくとおりすぎた。

 バーガーキングのワッパーを食べる。10時過ぎでお腹があまり減っていないせいなのか、フライドポテトを食べ、ハンバーガーを半分くらい口にしただけでお腹がいっぱいになったしまった。食べ物を残せない性分なので、無理してお腹に詰める。

 食事してからしばらく走ると、いよいよ標識に「Key West」の文字が見え始めてきた。
フロリダの綺麗な海を背景に撮影。

100マイル以上あるが、長い橋を自分で運転できるのであれば、100マイルという距離は非常に短いものになるだろうと思っていた。
  しかし、いくら走っても、短い橋はいくつかあれど、長い橋にはなかなかたどり着けない。MarathonというKey Westとフロリダ半島の中間くらいに位置する空港がある島にたどり着いても一向に長い橋が見えない。

 おかしい、おかしいと思っていると、ついに見えました。長い橋が!
セブンマイル橋
海の中を走る感じ

右に見えるのが鉄道に使っていた橋
 時速約60マイル(時速96km)で走行中に撮影

 思ったほど橋の区間が短くがっかりした。期待しすぎていたのかもしれない。確かに7マイル(11km)もずっと海の上を走るというのはすごい事だ。

 あっという間に橋の区間が終わり、小さい橋と島の道路の連続だ。だが、セブンマイル橋を過ぎたらKey Westにいつの間にか着いていた。「なんかこの島、結構栄えてるな」と思ったら、そこがKey Westだった。

 早速宿を目指す。ユースホステルで「ガラガラだから予約しなくてもいいですよ。」と言われていたので、もちろん予約もない。South Stを走り宿らしいものを探すが見つからず。一旦停止して、かばんの中からガイドブックを取り出し、住所を確認。なんと一旦停止した20メートル手前が宿であった。なんだ、ここだったのか、と思った瞬間、ガイドブックがドスッ、ボチャンと水溜りに落ちる。あっという間にガイドブックがフニャフニャになってしまった。ああ、みそぼらしい。

 宿は意外に高く28ドルプラス税金。まぁ、仕方ない。出来れば3、4泊したかったが、2泊のみにする。

こちらも名前が変わっている。

 荷物を置き、眠かったので少し寝る。この睡眠がなんとも言えない幸せなのだ。起きると、早速町を散策。南国の町らしく椰子の木が茂り、時間もゆったりと過ぎている。繁華街は西欧人が多く、アジア人は殆ど見かけなかった。

 日の入りを見ようと「マロリースクエア(Mallory Square)」へ行くも、雲が多くて普通の日の入りだった。だが、ここの広場には多くのパフォーマーがおり、時間を潰すにはいいかも知れないが、僕には興味ないものにしか映らない。

 夜、部屋に戻り、オーランドで書かなかった日記を記す。

 明日は浜辺に行って日焼け、水泳を楽しむぞ。 

本日の走行距離: 184マイル(294km)
総走行距離:5520マイル(8832km)

2018年1月20日土曜日

北米大陸オートバイ旅行-2005年7月20日

2005年7月20日(水)
 
 8時40分起床。起床してすぐにレモネードを飲む。一昨日買った奴で、オイル交換の廃油の為に買った。だが、量が結構多くて、100ccくらいは捨ててしまった。まぁ、99セントだから良いっか。

 オイル交換は何だかんだで、うまくいかなかった。ボルトを外した瞬間、レモネードのパックに入るべきオイルがパックに入らず、路面に垂れてしまったり、パックを倒してしまったりと。要らない新聞紙で一応こぼした部分を拭いておいたが、若干残っているので、滑りやすくなってしまった。

 オイル交換後、チェックアウトし、192号線を東に向けて進路を取る。昨日150マイル走ったので、給油。

 14時過ぎやっと昼食。Taco BellというKFC系列のタコスが食べられるファーストフード店である。だからコーラがコカコーラではなくペプシになる。今日はホットソースを多めにかけて、おいしく頂く。
 Taco Bellを出て大通りに入ってしばらく走ると、あれ、おかしい。どこかで見たような光景ではないか。しばらく走ってやっと気がついた。来た道を走っていたのだ。いつも僕は給油にせよ、食事にせよ、反対車線側にある店は利用しない。だから出発時には店を出てすぐの車線を走れば良いわけで、今日もその癖で逆走してしまったのだ。

 正しい方向の1号線を走っていると高速I-95号線の看板が見えてきたので左折。70号線という道だが、しばらく走るとすぐにI-95号線と交わり、高速へ入る。

この交差点を右折

 今まで時速80kmくらいで快適に走っていたのを110kmくらいに速度を上げる。速いのは良い事だけど、エンジンの音が非常に大きく、まるでエンジンが大変で息遣いが荒くなっているように聞こえる。人間や動物が全力疾走した後に「ハーハー」いうのに似ている。

 高速に入ってすぐに給油。ここの店員さん、エキゾチックな女性2人いたのだが、2人ともとてもフレンドリー。バックパックを背負っている僕を見て「重い?」とか聞いてくる。僕がシアトルからバイクで来たんだと言ったら、白人の方が「Crazy!」と言った。はい、そうです。私はクレイジーですね。でも何だか変な意味のクレイジーではないように思えてきた。
 もう一人のヒスパニック系の子の笑顔がとてもかわいかった。久しぶりに「おお、あの笑顔は僕ためにしてくれてるんだな。」と勘違いを起こし始めていた。ポジティブ思考って良い事だ。こんな勘違いがあるからこそ、バイクに乗っている疲労が吹っ飛んでいく。

恐らくここのガソリンスタンド。

 パームビーチという所を過ぎた辺りから高速がだんだんと込み始める。マイアミビーチまであと15、6マイルとなった頃には酷い渋滞で、徐行運転しなければならなかった。徐行運転を40分くらいしていると急に渋滞が解消された。みんなマイアミ市の方へ行くようで、マイアミビーチ方面への車はそんなにはいなかった。

 なるほど、こういう渋滞があるからフロリダには有料の高速道路があるわけだ。 

 宿には17時半到着。結構込んでいるユースで、ちらっと部屋割りみたいな帳簿を見たのだが、空きが無さそうな感じだった。よかった、予約が取れて。宿は21ドルと良心的な価格。デポジットで10ドル取られるが、返してもらえるので、全然問題ない。

強い日差しが印象に残っている。

 部屋は12Bという所で、部屋に入るとイギリスから来たマットという結構甘いマスクの青年が上半身裸でベッドに横になっていた。軽く挨拶して、また僕は外へ行く。バイクを停める場所探しだ。宿の人が13th通りなら、停めやすいというので、そこへ行くが、工事中で停められそうになかった。13th通りに程近い車の駐車場の隣に停めた。停めてすぐ部屋に戻りシャワーを浴びる。もうマットはどこかへ出かけていた。

 18時過ぎ、Savannahでシュさんからもらったインスタント麺を作る。韓国の「辛拉麺(シンラミョン)」である。とりあえず荷物を減らさなければならないので食べたのだが、おいしくて、また食べたくなってしまった。帰国便で韓国に寄ったときに食べようと思う。

 受付がある建物の2階で地図を見て、明日のルートを決める。有料高速は使わずひたすら1号線を走ろうと思う。決めたら部屋に戻る。なぜなら、この2階、結構暑くて、汗がダラダラ出てくるからだ。せっかくシャワーを浴びたのにまた汗だらけになっては、気持ち悪い。
 部屋に戻ると、マットではなくアルバートというコロンビアから来た身長206センチもある人が上段のベッドで横になっていた。ベッドは彼にとって小さいので、僕が使おうとした下の段と交換してほしいとの事。僕は別にどちらでも構わないので、承諾。交換して、僕は町を散策。

 宿の近くはレストラン街で、アールデコ風のメキシコのような建物のレストランが結構並んでいて、しかも呼び込みのお兄さんお姉さんが結構いる。そんな中を抜けて町をブラブラと歩く。マイアミ ビーチは南国であるから、バイクが結構多かった。南国でノーヘルで走るのは気持ちがいいものだ。だから南国ではバイクが結構走っているのかなぁ。マイアミ ビーチで見たバイクはほとんどがスクーター。50~100ccくらいのスクーターだ。

 宿に戻ろうとした時に、宿の近くの裏通りにバイクが数台停めてあった。その瞬間、「ここに停め直そう」と思い、13th通りからバイクを持ってくる。この場所なら宿からさほど離れておらず、しかも安全そうだ。これで安心して停められる。

 また部屋に戻り、アルバートと話す。話しているとマットも帰ってきて、みんなで宿の中庭でビールでも飲もうという事になる。宿の近くの酒屋へ行き、バドワイザー半ケースとコロナビール6本とライムを買う。3人で割ると一人6.3ドルだ。これだけの量が飲めて、6ドルちょいなら安い。バーで飲んだらいくらになるのやら。

 中庭で飲んでいると、金髪の目がぱっちりしているちょっときれいな女の人が話しかけてきた。「おお?いよいよ、僕も逆ナンされたか?」と思ったが、なんてことはない。おとといKissimmeeに泊まっていたイギリス人女性3人のうちの一人だ。どおりでどこかで会ったような顔だと思った。

 それからその女性3人とさらにイギリス人のトム、フランス人のトーマスとアルバート、マットと一緒に飲む。フランスの飲みのゲームを楽しむ。サイコロを振って、出た数によって誰が飲むかとかが決まるというゲームだ。こういう飲みの時のゲームは世界各国どこにでもあるんだなぁと思った。

 ゲームしながらイギリス人トムとトーマスと色々英語で話す。あんまり話せなくても何とかコミュニケーションはとれるものだなぁ。

 24時半を過ぎたころに、どこからかおじさんがやってきて、無言で「おい、もう遅いんだからお開きにしたらどうだ」とメッセージを送る。いったん静まるものの、おじさんが部屋に戻ったらまた騒ぎ出す。
 今度は宿の人なのか近隣の人なのか強い口調で「あと5分で終わりにしてください」と言ってきた。さすがにこれで、西欧人メンバーも静かになり解散となった。飲み足りない人は近くのビーチへ行き、眠い人は部屋に戻る。
 部屋に戻る前にちょっとドイツから来た2人組みの男の人と話すが、彼ら曰く「初めて英語が話せる日本人に会った」と言われた。この程度の英語で「話せる」と言われると恥ずかしくなってしまう。

 部屋に戻るとまた別のルームメイトがいた。彼はトルコから来ており、こちらで働く予定だそうだ。彼も僕と同じであまり英語が得意ではないが、色々と日本について聞いてきた。トルコには非常に親日家が多いそうで、彼も日本にとても興味があるとの事。う~~ん、トルコも行きたくなってきた。

 何時に就寝したか覚えてないが、マットはすぐ部屋に帰ってきて、アルバートは部屋に帰ってきていないのだけ覚えている。今日は飲んだ飲んだ。これだけ飲んで、英語の練習もできて6ドルちょっととは、安いものだ。

本日の走行距離: 264マイル(422km)
総走行距離:5336マイル(8537km)