2005年7月5日(火)
7時半起床。とは言っても、実際に起きたのは6時半くらい。それからウトウトとベッドの中でまどろんでいたら、目覚ましが鳴った。荷物は昨日ある程度準備してあったので、歯を磨いて顔洗ったらもう準備完了。もう一度バンフ市街地から国道1号線への行き方を確認し、頭に叩き込む。
8時にチャックアウトし、チェーン、ブレーキ、エンジン音等をチェックして、いざ出発。太陽が顔を出していなかったので、寒いと予想していたが、意外にもそんなことはなかった。
まず最初に向かったのはルイーズ湖(Lake Louise)である。ここに着くまでに、日本人団体客を乗せたバスに追い抜かれたが、そのとき、彼らは僕に向かって手を振ってくれた。彼らはまさか日本人が乗っているとは思ってもいないであろう。。。。。抜かれたにもかかわらず、ルイーズ湖付近で追いつく。高校生の修学旅行っぽい団体さんがぞろぞろと降りてきた。修学旅行でカナダか、、、時代は変わったものだ。
ここのルイーズ湖も言葉で表現するよりも実際に見たほうが素晴らしい。すぐにここを後にして、次はエメラルド湖。ここまで行くのに少々距離があるし、Jasperへ行く道から外れてしまう。距離にして片道約40km。しかし30分もしないで到着。ここにはまだ観光客が多くなく、非常に静かに風景が楽しめた。ここで昨日買ったフランスパンをまるかじり。美しい風景を見ながらの食事は、パンだけとは言え、格別だ。
エメラルド湖を見た後は今度はJasperへ向けて93号線をひたすら北上。無料の道路かと思ったら、Lake Louiseの市外を過ぎた付近で、料金所があった。道路自体は無料なのだが、この料金所から先が国立公園のため、入園料のようなものだそうだ。8ドル。予定にない出費だが、8ドルくらいなら平気かな。
ボー湖からの眺めも素晴らしい。なんかこういう風景を見ていると自分の形容する言葉の少なさに悲しくなってくる。ただただ「素晴らしい」の一言だからだ。
ボー湖で風景を見ていると日本人の団体の人が「おお、バイクで来とるなぁ」と言っていたので話しかけてみる。一人はツアーガイドでこちらに住んでいるっぽい人で、カナダの東部のことについて教えてくれた。で、ツアーガイドさんと話していると、団体さん。僕が日本人だと分かったようで、近づいてきて、「このバイク、どうしたの?」とか「何cc?」「これからどこ行くの?」などと色々と話しかけてきた。恐らく日本語が通じるから、おじさんおばさんたち、僕に話しかけてきたのだと思うが、もし英語であれば、遠くから見ているだけであろう。やっぱり言葉が通じるって良い事ですね。
ボー湖から50kmくらい更に北へ行くと、たぶんこの国立公園一番の目玉Columbia Icefieldという氷河の上を歩けるところに着く。ここは氷上車に乗ると36ドルくらい取られるのだが、そんなお金はない。徒歩でもある程度までは行けるので、重い荷物を背負って、ひたすら山道を登る。標高2000mくらいの所なので、息苦しく感じるが、恐らくこれは運動不足によるものだと思う。
苦しいと思ったときは「旧日本軍の兵隊さんは数十キロの荷物を背負って何十キロと移動できたのだから、同じ日本人。できないわけがない。」と自分を励ましながら進んだ。確かにあの当時の食事は貧相なものだったのにも関わらず、そんなことが出来たのだから、本当にすごいと思う。根性なしの僕にはとても出来ない。
ロッキー山脈の中をひたすら進む
大自然の中をバイクで走るのは最高!
ルイーズ湖
エメラルド湖畔にて
Columbia Icefield
夏なのに一面氷だけ
バックパックを背負いながらひいこら
言いながら登った
ツアー旅行では上のような写真は撮れないでしょう。これぞ、個人旅行の醍醐味。宿の不安があるものの、自由気ままに写真を撮ったり、休憩したりできる。
今日はバイクとすれ違う事が多かった。だが、合図が煩わしいと思ったことはなかった。こんなに天気も良く、暑くもない心地よい状況で、一人黙々と走るのは勿体無い。同じバイク同士、挨拶くらいはしておきたいものだ。
Jasperには16時頃到着。あと10kmくらいの頃から眠くなってきたが、歌を歌って眠気を覚ます。歌ったのはTHE虎舞竜の「ロード」。歌詞とかよく覚えていないが、 鼻歌でフンフ~ンと・・・・・。今日は色々な風景を見ながら来たので200km強の道のりなのに、8時間もかかってしまった。でも8ドルの入園料を払った甲斐があった。本当に綺麗な風景の中を風になれたので、よかった。
ユースホステルはJasperの町から結構離れていて、重い荷物を背負って歩きで来るにはちと遠い。バイクがあって、感謝感謝。宿は夏のピーク時なので22ドル。さらにベッドシーツ等を持っていないので、1ドルプラス。
Banffに泊まっていた東洋人。ここJasperでも見かけた。見た感じ香港人みたいだ。英語で話しかけようかと思ったが、とりあえず様子を見てみたら、その東洋人、なんと流暢な日本語で別の日本人と会話しているではないですか。ネイティブの人に、「流暢」なんて失礼か。アクセントから見て、恐らく関西か、西日本の人と思われる。まぁ、さすがに次の目的地は違うようなので、会うことはないか。でも本当に香港人だと思ってた。
それにしても今まで泊まってきたユース、欧米人ばかりで、東洋人の姿があまり見かけられない。ここは欧米人の地元、当たり前と言ったら当たり前か。日本のユースだって、日本人やアジア人が多いのであろうから。ちなみに台湾人にはまだ一人も出会っていない。まぁ、そのうち会うだろう。
この日記はユースホステルのラウンジ(雑談室みたいな所)で書いているのだが、目の前に座っている西欧人カップル、人目をはばからず、チュッチュ、チュッチュ、キスをしている。あのー、すみません、ここはユースホステル、 ドイツ人のリヒャルト・シルマン氏が青少年に安価で安全な宿を提供しようという理念で始めた「青少年育成の場」ですよ!(笑)
なんと、部屋に戻ってみると、今度はドイツ人らしきカップルがいちゃついている。ここのユースは女性専用部屋と男女共同部屋の2タイプがあり、下着姿の女性を見ることができるが、別に大した事はない。そりゃ、モデルさんみたいな人が着替えていたなら、ムラムラするかもしれないが、至って普通の欧米人女性。本当に大した事はない。
次はEdmontonというAlbertaで2番目に大きい町へ行く予定だ。ちなみにEdmontonのユースホステルに電話で予約したら、受付の人が「わぁ、私の友達と同じ苗字だわ」って。。フレンドリーに接してくれた。どんな所なんだろう、Edmonton。
総走行距離:1249マイル(1998km)